「与える」という表現

あの震災から1年が経ちましたが、現状はまだまだ復興とは言い難いようです。
全国あちこちで復興支援イベントが行われています。
テレビでは芸能人が歌やパフォーマンスを繰り広げ
収益金を寄付したり、募金を募ったり。

そういった番組を見る度ずっとしっくりこないことがありました。
行い自体は大変素晴らしいことなのですが
皆、判で押したように同じようなことを言います。

「被災者に希望と元気を与えたい」

そんな言葉に微妙な違和感を常々感じていました。
発言した人には全く悪気がなく、純粋な想いなのも理解しているのですが。

ある日、選抜高校野球兵庫代表・洲本高校のインタビューを見ました。
「阪神大震災で支援してもらった僕たちにしか出来ないことがあると思います。
被災者のみなさんに、勇気と元気を伝えたいです」
詳細には覚えていませんが、こういった内容のことをその選手は言いました。

「伝えたい」 という表現がとても自然で、今迄の違和感が何だったのか腑に落ちました。


そして昨日、宮城県代表・石巻工業高校主将の選手宣誓。
「・・・日本中に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。・・・」

「届けましょう」  

2分半の宣誓文を彼はよどみなく、力強く読み上げました。立派です。
被災者でなくとも、胸が、目頭が、熱くなりました。


「与える」という表現には、どこか「してやってる感」が漂っている気がするのです。
「与える」でも国語的には合ってるかもしれませんが、
私だったら「伝える」「届ける」と言ってもらえる方が嬉しいです。

石巻工業高校は残念ながら一回戦敗退となりましたが、
彼らの純真な想いは十分に届いたと思います。
是非とも夏の甲子園で、さらに成長した姿を見せてください。
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by art-design | 2012-03-22 18:19 | Daily | Comments(2)
Commented by スエツグ at 2012-03-22 20:25 x
僕も最近ちょっときになっているのが、「~してあげる」、「見てあげたい」「聴いてあげたい」
と何々してあげるというフレーズが良く使われている事です。
ちょっとその言い方傲慢に聞こえるよと言いたいのです。テレビに出ている人に。
Commented by art-design at 2012-03-23 13:42
スエツグさん
「〜してあげる」もよく聞きますね。
使い方も変なことが多いです。

「野菜をお鍋に入れてあげましょう」
「鍋に入れる」でいいやんかっ。と毎回テレビに突っ込みます(苦笑)